ボクの親父は写真家という仕事をしている。
そのことを人に話せば、「お父さんカッコいいね。」という言葉が決まって返ってくる。
その理由が、ず〜〜〜〜〜〜〜〜〜っと理解できなかった。
それは写真家という仕事の姿とは別の姿も見てきたから。
サラリーマンを父に持つ人には理解しがたいと思うけど、職人の父というのは息子からしてみたら大抵がロクなもんじゃない。
当然、これは自分にも当てはまっている。
きっと僕も父としてはロクなもんじゃない、苦笑
そんな父をもったことが背景があってか、なくてかはわからないけど仕事を始めたばかりのボクはお金を稼ぐということに執着していた時期がある。
開業して3年で23歳の時に結婚し子供が産まれ、ますます「お金を稼ぐこと」に対しての情熱を燃やすようになった。
「自分の力」で家族を養うことに固執していたからだ。
恥ずかしい話だけど、当時は「俺が働いた力」で家庭が成立してるって勘違いた。
それから数年経ち、そこそこに稼げるようになったのに自分の仕事にモヤモヤと不安を抱えるようになった。
その頃に先輩の引き合わせで師匠「鈴木暁光先生」と出逢った。
師から整体のこと以外に生き方を学ぶ中で「仕事を続けること」の尊さを教わった。
『好きなことを仕事にして起業することは誰でもできる。でもね、それを〝やり続ける〟には仕事に対する信念、覚悟が必要なんだよ』と。
師の姿から学ぶ中で、自分の仕事に対しての情熱の燃やし方が「稼ぐ」から「好きなこと、やりたいこと」へと変わっていった。
そして今のStyle Design Salon が誕生。
この前、ふと隣でタバコを吸っている親父に質問を投げかけてみた。
「どうして今の仕事を続けているのか?」
「家族から後ろ指を指されることがありながら、なぜ写真家であり続けているのか?」
親父から返ってきた言葉は
「写真が好きだから」
この答えを聞いた時、すごく安心した。
安心したという言葉が適切なのかはわからないけど、自分の中で渦巻いていた感情の波が穏やかになったのを感じた。
好きを仕事にするということは、それに見合った責任もついてくる。
何を責任とするか
それはきっと人によって違うし、それぞれ。
親父から仕事のグチや過去の自慢話は一度も聞いたことはない。
そりゃそうだ。
好きなんだから。
昔は大嫌いだった親父の仕事を今は少しだけカッコいいと思えるようになった。
好きを仕事に。
DNA万歳。
クソ親父と記念に一枚。
この距離が限界。
顔の大きさと膝下の長さが違うのが気に入らない。